大鹿村の歴史を体験したい!

遺産ライド

中央構造線秋葉古道伝説文化財歴史伝統塩の道

大鹿村遺産ライドは、自転車(Eバイク)に乗って長野県南部、南信州大鹿村に残る文化遺産や史跡を中心に、村内の奥深くを巡ります。はるか昔にタイムスリップしたような気分にさせてくれます。秋葉古道を擁する大鹿村は、古より人々の往来が多かったことから、いろいろな文化を受け入れてきた歴史があります。諸説ありますが、300年続く大鹿歌舞伎も文化交流から生まれた芸能ともいわれています。南北朝時代の皇子・宗永親王がこの大鹿に住まわれ、それに伴いいくつかの城が存在していたこと。山塩が脈々と製塩されてきたこと。大鹿ならではの大自然に育まれた文化遺産に触れてみてください。大鹿遺産ライドには、技術や体力レベルに対応したコースが用意されています。表示されている難易度は、コースの長さ、標高差、勾配に基づいており、電動アシストモのない自転車に適用されます。大鹿村でレンタルできるEバイクなら、どのルートも普通の体力レベルでも簡単に走ることができます。
 
◎レンタルEバイクを扱う店舗は2つあります。大河原地区の「道の駅 歌舞伎の里・大鹿」と鹿塩地区「塩の里 直売所 Sol-Ka(ソル・カ)」です。両店舗とも、飲食物やお土産の販売をしておりますので、ご利用ください。

大西公園三六災害コース(大鹿遺産ライド1)

大河原地区「道の駅 歌舞伎の里大鹿」を発着点とする約4kmの初心者向けポタリング*コース。このコースで取り上げるのは、1961年(昭和36年)に大鹿村をはじめとする長野県内の多くの集落が大雨による壊滅的な被害を受けた災害で、三六災害と呼ばれています。1961年6月29日の朝、大雨の後に大西山が崩壊。39戸の家屋が埋まり、42人が犠牲となりました。またこの地滑りによって、小渋川は東側へ約300m、蛇行しました。地滑りの跡地には公園が整備され、供養のための観音菩薩像が建てられ、村の方たちによって数百本の桜が植えられました。現在は、桜祭りや夏祭り、イベントを行う人々の憩いの場となっています。この公園からは小渋川渓谷と赤石岳(3,120m)の素晴らしい眺望が楽しめます。3月下旬から4月中旬にかけて、大西公園には数百本の桜が咲き誇りますので、この時期のサイクリングはおすすめです。あらゆるタイプのレンタルEバイクに適しているコースです。
*ポタリングとは、自転車で散歩するようにゆったり走ること。

大河原中尾集落の秋葉古道コース(大鹿遺産ライド2)

大河原地区「道の駅 歌舞伎の里大鹿」を発着点とする約9kmの中級者向けポタリングコース。このコースでは、長野県諏訪地方の諏訪大社と静岡県の秋葉神社を結んでいた秋葉古道巡礼路の一部を確認できます。見どころは、大西山崩壊跡や小渋川渓谷を一望できる中尾茶屋跡、秋葉古道の往来を取り締まった堀田城跡、毎年5月に大鹿歌舞伎が上演される大磧神社など。ルートの最後には、国の登録有形文化財である小渋橋から赤石岳(3,120m)の驚異的な眺めを楽しむことができます。あらゆるタイプのレンタルEバイクに適しているコースです。

大河原の歌舞伎舞台コース(大鹿遺産ライド3)

大河原地区「道の駅 歌舞伎の里大鹿」を発着点とする約9.5kmの中級者向けコース。このコースは300年以上続く大鹿歌舞伎の歴史への旅。大河原地区の美しい山間の上蔵集落まで上がります。集落へ上がるとまず目に入るのが、大きな銀杏の木とそのそばに佇む、福徳寺本堂。長野県最古の木造建造物と言われており、1,300年代、室町時代前期に建てられた国指定の重要文化財です。ここからさらに上がっていき野々宮神社を目指します。以前は野々宮神社でも村歌舞伎の上演があり、歌舞伎用の舞台が残っています。村指定の有形文化財でもあります。ひと休みした後は、坂を下り大磧神社へ。歌舞伎舞台のあるこの神社では毎年5月、国の重要無形民俗文化財である大鹿歌舞伎の春公演が上演されます。どちらの神社も、普段は歌舞伎舞台はご覧になれません。神社の境内では、自転車に乗らないでください。大磧神社近くの小渋橋(国の登録有形文化財)から、南アルプス国立公園の赤石岳(3,120m)の息をのむような眺めも楽しめます。あらゆるタイプのレンタルEバイクに適しているコースです。

小渋橋、下青木薬師堂、松下家住宅の秋葉古道コース(大鹿遺産ライド4)

大河原地区「道の駅 歌舞伎の里大鹿」を発着点とする約11kmの中級者向けコース。国道152号線を南下し、国指定重要文化財の小渋橋で川を渡り、南アルプス国立公園の赤石岳(3,120m)を望む。橋を渡った近くには下青木薬師堂があります。村指定の有形文化財、下青木薬師堂には18体の仏像が安置されており、そのうち15体は江戸時代中期(1736年から1737年)に制作されました。国道152号を地蔵峠(現在は通行止め)方面に進みます。途中、松下家住宅への看板が出てきますので、それに従い左折。約4㎞坂を上ると開けた土地になり、松下家住宅はすぐそこです。約200年前に建てられた古民家は本棟造り。養蚕のためデザインされ、長野県南部の典型的な家屋といわれています。質・保存ともによく価値が高いといわれており、国の指定重要文化財に登録されています。コースの最後には、大西公園から赤石岳(3,120 m)と小渋渓谷を望むことができます。あらゆるタイプのレンタルEバイクに適しているコースです。

落合宿、西集落、夜泣き松の秋葉古道コース(大鹿遺産ライド5)

鹿塩地区「塩の里 直売所 Sol-Ka(ソル・カ)」を発着点とする約11㎞の中級者向けコース。道の駅「歌舞伎の里大鹿」からもスタートできます。このコースは、秋葉古道巡礼路の鹿塩温泉から大河原地区までの区間を探索します。このルートの最初の見どころは、鹿塩七不思議のひとつ、長野県指定の天然記念物でもある夜泣き松です。中央構造線の河合断層鞍部の尾根に立つこの松は、樹齢約700年、地元の伝説に彩られています。ここから秋葉古道に沿って進み、中央構造線のいくつかの断層鞍部を通過します。これらの断層鞍部は自然の峠を形成しており、はるか昔から巡礼者や旅人たちの祈りと信仰の場となってきました。中尾茶屋跡から大西公園の絶景を楽しみ、「道の駅 歌舞伎の里大鹿」で休憩。帰りは国道152号を北上し、落合集落と西集落を通ります。国道152号沿いのバス停・下原には「蛍の井」と名付けられた水汲み場があり、この湧き水がのども心も癒してくれます。まだ元気があれば西集落にある秋葉古道のヘアピンカーブを上ってみましょう。西集落からは、中央構造線が作る、鹿塩地区の美しい景観を見渡すことができます。このコースは長い上り区間があるため、スポーツバイクやマウンテンバイクをご利用ください。

上蔵集落の南北朝歴史コース(大鹿遺産ライド6)

大河原地区「道の駅 歌舞伎の里大鹿」を発着点とする約10kmの中級者向けコース。このコースでは、上蔵の集落が南北朝時代(1336年~1392年)の激動の時代に関連した史跡を巡ります。国道152号線を南下し、約1㎞進んだところ鳥倉登山口、夕立神パノラマ公園方面へ左折(看板があります)。直進し、小さな大河原橋を渡り、すぐに右へ下ります。赤石岳公園線(県道253号)に合流し左折。道なりに、標識に沿って上蔵の集落へ向かい、坂を上ります。集落へ上がるとまず目に入るのが、大きな銀杏の木とそのそばに佇む、『福徳寺本堂』。長野県最古の木造建造物と言われており、1,300年代、室町時代前期に建てられた国指定の重要文化財です。大きな銀杏の木と多くの石像があるこの場所の美しさは、自転車を降りての散策もおすすめです。

鹿塩の歌舞伎舞台コース(大鹿遺産ライド7)

鹿塩地区「塩の里 直売所 Sol-Ka(ソル・カ)」を発着点とする約11㎞の中級者向けコース。このコースでは、300年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定されている大鹿歌舞伎の2つの舞台を見ることができる。最初の見どころは、スタート地点の塩の里の目の前、わずか300メートルにある市場神社である。江戸時代末期の嘉永4年(1851年)に建てられた歌舞伎舞台で、毎年10月には「大鹿歌舞伎秋の公演」が開催されます。そこから鹿塩温泉方面に上り、黒部の洞窟や樽本の滝を通り過ぎます。坂を上ると、右手に欄干橋がある十字路が出ます。ここを左折し、梨原集落を上ります。素敵な集落の雰囲気を楽しみながら、4つのヘアピンカーブを登ると、葦原神社に到着。この神社にも立派な歌舞伎舞台があり、かつては歌舞伎の上演もよく行われていましたが、現在は7年に一度の御柱祭の時のみ、集落の人によって歌舞伎が演じられています。ちなみに葦原神社は地元では「諏訪大社の本社」言われ、様々な言い伝えがある神社です。そこからは葦原神社を背にもと来た道を下りず、道を北方向に進みます。駿木(するぎ)城跡物見やぐらに寄り道することもでき、「手打ちそば・水出し珈琲 するぎ農園」というお店もあります。風光明媚な景色を楽しむことができます。帰路は、西の方角に山を下り、5つのヘアピンカーブを経て塩原集落に入ります。そこから国道152号を南下し、塩の里に戻ります。このコースは長い上り区間があるため、アシスト力の強いスポーツバイクやマウンテンバイクをご利用ください。

鹿塩の塩の湯と山塩の伝説コース(大鹿遺産ライド8)

鹿塩地区「塩の里 直売所 Sol-Ka(ソル・カ)」を発着点とする約11㎞の中級者向けコース。このコースは、鹿塩の七不思議の一つである塩の湯にまつわる伝説や、職人による山塩づくりの長い歴史を知ることができる。塩の里には塩の湯と鹿塩の塩づくりの歴史を紹介する小さな展示もあり、このコースのスタート地点として最適です。最初の目的地は、塩泉院がある西集落です。塩泉院はこの地域の塩泉にちなんで名づけられた寺で、曹洞宗に属します。その後は鹿塩温泉方面へ上り、黒部の洞窟の古い坑道を見学し、向かいの鹿塩温泉「山塩館」の伝統的な製塩工房を訪ねます。さらに山奥へ坂を上ると、先史時代に塩水が発見され、最近まで村人が塩水を取り出していた入谷塩壺へ。その先、欄干橋のある十字路を左折して、梨原集落を上ります。ここからは(大鹿遺産ライド7)の後半をお読みください。同じルートです。また、塩の里に戻る前に、鹿塩の岩塩探しに生涯を捧げた武士、黒部銑次郎の墓にお参りしてください。地図参照。このコースは長い上り区間があるため、アシスト力の強いレンタルのEスポーツバイクやEマウンテンバイクをご利用ください。

釜澤宇佐八幡社コース(大鹿遺産ライド9)

大河原地区「道の駅 歌舞伎の里大鹿」を発着点とする約15kmの中級者向けコース。このコースの目的地は、南アルプスジオパークの奥深くにある釜沢集落の頂上に鎮座する宇佐八幡社です。この神社には由緒ある宝篋印塔があり、その頂上にはいくつもの輪があることから、地元では「九輪之塔」と呼ばれています。南北朝時代(1336~1392年)に大河原に住んでいた宗良親王の墓標塔である可能性が高いとされています。赤石岳公園線を東に進み、南アルプスジオパークの奥にある釜沢集落を目指します。途中、国指定の重要文化財であり、長野県で最も古い木造建築といわれる福徳寺がある上蔵集落を通過します。そこから赤石岳公園線に沿って小渋川の谷を上っていき、道なりに進みます。釜沢集落に近づくと分かれ道が一か所ありますが右下に降りず、山側の左の道を選択してください。もう少し進むと釜沢集落の頂上にでます。民家が数軒出てくるところです。集落を右下に降りる道が出てくるところにある集会所に自転車を止めましょう。左側の山に宇佐八幡社へと続く小径の入り口があります。神社までは遠くないですが、山道を上がりますので、しっかりとした靴をご用意ください。山中に大鹿村の文化財である宝篋印塔(九輪之塔)があります。この最果ての地に祀られていること。感動です。このコースは長い上り区間があるため、アシスト力の強いレンタルスポーツバイクやマウンテンバイクをご利用ください。

秋葉古道分杭峠コース(大鹿遺産ライド10)

鹿塩地区「塩の里 直売所 Sol-Ka(ソル・カ)」を発着点とする約31㎞の上級者向けコース。ルートは秋葉古道、国道152号をひたすら北上し、中央構造線渓谷を一望できる分杭峠(1424m)を目指します。途中、中央構造線の断層、国の天然記念物の北川露頭や秋葉古道の史跡を通ります。また、分杭峠手前にはもうひとつのハイライト、秋葉古道跡にそびえ立つ巨大なサワラの木「矢立の木」があります。戦国時代、遠山郷を領した遠山土佐守が、武田氏への参勤の途中、この木の根元に弓矢を立て弓術の練習をしたといわれています。樹高29m、周囲6.1m、樹齢約500年の立派な巨木で、村指定の天然記念物です。目的地の分杭峠は大鹿村と伊那市との境にあります。ゼロ磁場とも呼ばれるパワースポットとして人気が高く、伊那市側からのシャトルバスでしか立ち寄りができませんが(車の路上駐車禁止、駐車スペースもなし)、大鹿側に自転車を止めるスペース(大鹿村の案内標識のそば)がありますので、ごゆっくり散策をお楽しみください。このコースは距離が長く、標高差もかなりありますが、登りはかなり緩やかで、特別な体力や技術がなくても、すべてのレンタルEバイクで完走できます。