大河原城趾

 南北朝時代、宗良親王を生涯に渡って守護した香坂高宗の居城である。この城の大きな特徴は、険しい自然の地形を十分に生かした天然の要害であったことにつきる。南は眼下に小渋川の急流を望む断崖があり、東には、太田村沢の渓谷、北・西側は、空堀をもって防備とした。興国4年(1343)の冬、ここに親王を迎え入れた高宗だったが、なお不安に思い、さらに釜沢の奥地、内ノ倉現在の御所平へ安住の地を定めたのである。