大鹿歌舞伎

 江戸時代から大鹿村に伝承されてきた地芝居(農村歌舞伎)。村内に残る古文書には、明和4年(1767)に村人によって歌舞伎が上演されたと記されている。地芝居は農村の最大の娯楽として、幕末から近代にかけて全国各地で盛んに行われていたが、大鹿歌舞伎はその地芝居の原形を今日まで残している。大鹿歌舞伎のみに残る外題(演目)や演出があり、平成8年に地芝居の分野では全国で初めて国選択無形民俗文化財となった。舞台は幕末から明治にかけて村内13ヵ所に建立され、現在は4ヵ所に上演可能な舞台が保存され歌舞伎が上演されている。公演活動は活発に行なわれ、オーストリア・ドイツへの海外公演をはじめ、大阪国立文楽劇場公演など各地で上演をしている。村内では春(5月3日)秋(10月第3日曜日)に定期公演として年2回、大磧・市場神社両舞台で昔ながらの地芝居を演じている。